「老後は田舎で」は本当に可能なのか?
「老後は田舎で暮らしたいと思ってる」
とぼくの知り合いからも
この言葉をよく聞く
深く聞いていないのでわからないけど「若いうちは都会でバリバリ働いて、お金を貯めて、貯まったらゆっくり田舎で」という構図のように思う。
でも、それって
「896の地方自治体がなくなる」
といわれている時代に
リアルに考えてみると
本当に可能なのか?と思ったので
ぼくが思った3つの観点から書きたいと思います
目次
身体的観点
そもそも都会で暮らしてきて
たとえば定年まで働いたとして
そこから田舎で暮らしたいと考えた人がいるとして
体力は残っているのだろうか?
もし
田んぼや畑をしたいと思っているなら
定年を過ぎていちから始めるのは
かなり大変なように思う。
そもそも技術がないところから
覚えていくのが大変ということもあるが
鍬を使って田畑を耕したり
その周りの草刈りをしたりする作業は
とても骨の折れる作業だ
実際、中・高・大と
部活を続けてきたぼくでさえ
毎週土曜に行われる草刈りの後は
くたくたになっている。
1週間その疲れを持ち越すことだってある
そんな状況なのに
記憶力も体力も低下していく一方の
定年になってから始めるのは
ハードルを高めている気がする
集落的観点
みなさん知ってのとおり
いま集落は高齢化が進んでます
高齢化と人口減少で
これからの担い手がいなくて
なくなってしまいそうな集落も
日本中にたくさんあると思います
そんな状況で
定年退職した人たちが喜ばれるでしょうか?
集落が求めているのはやはり若者です
しかも子供がいるほうが喜ばれる
もちろん集落の家を
空き家のまま残しておよりかは
誰かがいたほうがいいと思いますが
60歳で入ったらあと20年くらい
またすぐに担い手を見つけなければならない
集落の人も手間の割には将来性がない
と感じてしまうかもしれません
そして、ぼくが思うに
都会のような感覚で
「ただ住む」ということは
田舎では難しいように思います
それは、集落では維持していくために集落のみんなでやらなければいけないことがたくさんあるからです
なので
「集落を作っていく構成員として住む」
これが多くの場合求められるように思います
そのことを考えるとやはり
自分が合うところを探すには
時間がかかるだろなぁ~
と思います
少なくとも今の集落で
「定年退職をした人を受け入れたい」
と思っているところは
少ないと思います 。
自然的観点
里山にある水・木・草・土などは
何も手を加えず自然に放置していれば
人間が暮らしていけるような環境に
勝手に維持されるというものではないです
里山の資源は
集落の人によって管理されています
たとえば水
どこから湧水が出ていて
どこに染み出ていって
どこに溜まるのか
それは土地を知る人でないとわからない
でも今後はその土地をする
60~90歳くらいの人が
どんどん減っていきます
そのお父さん方は
いま、40~50歳の
都市部に働きに出ている息子には
管理の仕方を教えていない
という場合も多くあるようです
つまり
里山を管理する知恵を持つ人がいなくなる
それは限りなく里山で暮らしていくことが
困難になることだと思います
定年になってから
水源が止まったからといって
山に登っていけますか?
足を滑らすこともあるし
登り方を知らないと怪我をします
というようなことを考えると
本当に田舎で暮らしたいなら
体力・適応能力があるうちに
暮らしを変えることをおススメします◎
まとめ
何故みんな「老後は」と頭につけるのかは
理由を聞いていないのでわからないですが
自分に合った田舎探しだけでも
結構時間がかかるように思います。
実際、40,50代の夫婦の方で
今まで近くで何でも買える環境で暮らして
いざ田舎暮らしをしようとなっても
「あれがない、これあない」と
ないものねだりをして
暮らす場所を決められない方に
ぼくはも会ったことがあります
そういう心境のことも考えると
歳をとってから暮らす場所を変えることは
なかなか難しいことなのかもしれないなと思います
今のような日本の田舎を思い浮かべて
漠然と考えを持っているのであれば
早く具体的に考えたほうがいいです
これから田舎において知恵・技を持った人は
どんどん少なくなります
なので「本当に田舎で暮らしたい」
と思う人がいるのであれば
場所探し・田畑の準備など
早め早めに行動することをお勧めします!
橋本和明